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シニア犬・高齢猫のための夏バテ・熱中症対策。体温調節が苦手な我が子をいたわる夏の過ごし方

なぜシニア犬・高齢猫は夏バテや熱中症になりやすいのか?

日本の夏は年々厳しさを増しており、最高気温が35℃を超える猛暑日も珍しくなくなりました。この過酷な暑さのなかで、特に注意が必要なのが「シニア犬」や「高齢猫」です。

 

「最近、うちの子は寝てばかりいるけれど大丈夫かしら……」
「食欲が落ちているのは、年齢のせい?それとも暑さのせい?」

そんな不安を抱えている飼い主様も多いのではないでしょうか。

 

若い頃は元気に夏を過ごしていた子でも、シニア期(犬は7歳〜、猫は11歳〜が目安)に入ると身体にさまざまな変化が起こります。まずは、高齢ペットが暑さに弱い理由を正しく理解しましょう。

体温調節機能(センサー)の低下

動物は暑さを感じるとハアハアと浅く速い呼吸(パンティング)をしたり、涼しい場所に移動したりして体温を下げようとします。しかし、シニア期になると自律神経の働きが鈍くなり、暑さを感知するセンサーや体温を調節する機能が低下してしまいます。

筋肉量の減少による「水分不足」のリスク

犬や猫の身体にある水分の多くは、筋肉などの細胞の中に蓄えられています。年齢とともに筋肉量が減少すると、体内に蓄えられる水分量そのものが減ってしまうため、若い頃に比べて水分不足になりやすくなります。

喉の渇きを感じにくくなる

脳の働きが鈍くなることで、「喉が渇いた」という感覚自体が鈍くなります。そのため、自発的に水を飲む回数が減り、飼い主様が気づかないうちに水分が足りない状態(脱水)に陥ることがあります。

・上手く体温調節ができない
・暑さのためにしっかりと休息することができない
・脱水傾向になる

これらが起こることでいわゆる「夏バテ」になります。そして重度になれば、熱中症として命にかかわることになってしまうかもしれません。

 

見逃さないで!愛犬・愛猫の「夏バテ・熱中症サイン」

言葉を話せない愛犬・愛猫のSOSをいち早く察知することが大切です。特にシニア期は予想外に危険な状況に置かれているかもしれません。夏のSOSサインをチェックしてみましょう。

警戒レベル主な症状・サイン
【レベル1】夏バテの兆候
  • いつもより寝ている時間が長い、お気に入りの場所から動かない
  • ごはんを残す、おやつへの反応が鈍い
  • なんとなく元気がない、歩き方がトボトボしている
【レベル2】熱中症の初期
  • 犬の場合ハアハアという呼吸(パンティング)が激しく、一向に収まらない
  • 猫の場合口を開けてハアハアと呼吸(開口呼吸)をしている
  • よだれの量がいつもより多い
  • 耳の付け根や肉球、お腹を触ると異常に熱い
【レベル3】緊急事態(即病院へ)
  • ふらついて立てない、意識がうつろう
  • 嘔吐や下痢をしている
  • 歯茎や舌の色が赤紫、または逆に白っぽくなっている

 

💡重要!猫が口を開けて「ハアハア」と息をしている場合は、熱中症か呼吸器のトラブルにより、すでにかなり危険な状態ですので一刻も早く動物病院に連絡してください。熱中症が疑われる場合は、すぐに涼しい場所に移動させ、濡らしたタオルで身体を包むなどの応急処置をしながら連絡をするのが良いでしょう。

 

【室内での暑さ対策】シニア犬・高齢猫が快適に過ごせる環境づくり

熱中症は屋外だけでなく、室内で発生するケースが非常に多いのが特徴です。特にシニア犬や高齢猫は、室内であっても急激な温度変化に対応できず、夏バテを引き起こす原因になります。我が子が安心して過ごせるよう徹底した暑さ対策を行いましょう。

① エアコンの設定は「温度」だけでなく「湿度」も重要

シニアペットがいる部屋のエアコンは、24時間つけっぱなしが基本です。

  • 推奨温度24℃〜26(冷房を嫌がる猫ちゃんでは調整を)
  • 推奨湿度:50%〜60%

実は温度だけでなく、湿度もとても重要です。犬や猫は人ように全身で汗をかいて体温調節をすることができないため、 呼吸によって熱を逃がそうとします。しかし湿度が高い蒸発によって逃がす熱の量が減ってしまい、体温を下げることができません。温度が低くても湿度が高いと熱中症のリスクが上がりますので、「除湿(ドライ)モード」を上手に活用してください。

② サーキュレーターで空気を循環させる

冷たい空気は部屋の下の方(床付近)に溜まります。しかしエアコンの風が直接ペットに当たり続けるのは身体が冷えすぎる原因になることも。サーキュレーターを上に向けて回し、部屋全体の空気を優しく循環させましょう。

③ 「冷えすぎない」ひんやりグッズの選び方

保冷剤などのグッズを使用する際は、直接ではなく上からバスタオルを巻いて当てるなど、冷え方をマイルドにする工夫をしましょう。

アルミマットやジェルシートは手軽で便利ですが、寝返りが打ちにくいシニア犬・高齢猫の場合、床が硬すぎることによる身体の負担がないか注意してください。下にクッション性のあるものを重ねるなどの配慮が大切です。

また、いつでも「自分で普通の床やベッドに移動できる選択肢」を作っておくことが大切です。

 

食事と水分補給の工夫:健やかな毎日をサポートするために

夏場の健康維持には、十分な水分と適切な栄養補給が欠かせません。自発的な水分補給が難しいシニア期には、飼い主様のサポートが必要です。

効率よく水分を摂らせるアイデア

  • 水飲み場を増やす
    寝床のすぐ近くやよく通る動線上に、新鮮なが飲める場所を複数用意します。
  • ウェットフードやお湯でふやかす
    いつものドライフードにぬるま湯をかけたり、ウェットフード(缶詰・パウチ)をトッピングしたりすることで、食事と一緒に自然に水分を摂取できます。
  • 風味をつける
    水のなかに、ペット用のヤギミルクや塩分の入っていない自家製の肉・魚のスープを数滴垂らすと喜んで飲んでくれるようになるかもしれません

夏の健康維持をサポートする栄養ケア

暑さで食欲が落ちてしまうと、健康な身体を維持するために必要な栄養が不足しがちになります。

そんなときは、一度に食べる量を減らして回数を増やしたり、シニア期の日々の健康維持・QOL(生活の質)をサポートすることを目的としたペット用の栄養補助食品(サプリメント)を取り入れたりするのもおすすめです。

日々の食事を整えつつ、健康を維持することで本来の健やかさを保って内側からの元気をキープするためにかかりつけの獣医師と相談しながら我が子に合ったケアを取り入れてみましょう。

(※サプリメントは医薬品ではないため、病気の治療や予防を目的とするものではありません。日々の食事を補う健康維持のサポートとしてご活用ください。)


お散歩や日中の過ごし方で意識したいこと

犬のお散歩は「時間帯」を徹底して選ぶ

シニア犬のお散歩は、日が完全に沈んだ夜または日が昇る前の早朝の涼しい時間帯に限定しましょう。

飼い主様が「涼しい」と感じても地面に近い犬たちは冷え切っていないアスファルトからの熱(放射熱)によって人の数倍の暑さを感じています。お散歩に出る前に必ず飼い主様自身の手でアスファルトを触り熱くないか確認してください。

猫の日向ぼっこに注意

高齢猫は加齢によって暑いことに気が付きにくかったり、動くのが億劫になってしまったりすることで窓際で日向ぼっこをしたまま気付かぬうちに水分不足を起こしてしまうことがあります。夏場は遮光カーテンを閉める、ケージの位置を直射日光の当たらない場所に移動させるなどの配慮を忘れないようにしましょう。

 

いつも以上の「優しい目」で見守る夏に

シニア犬・高齢猫にとって、夏は私たちが想像する以上に体力を消耗する季節です。

去年もこのくらい平気だったし大丈夫だろう」と思わずに、呼吸の様子、寝ている姿勢、尿の量や色、毎日のごはんの進み具合などをいつも以上に優しい目で見守ってあげてください。

少しでも違和感や「おかしいな」と思うことがあれば、躊躇せずにかかりつけの動物病院へ相談しましょう。愛する我が子がこの夏も笑顔で快適に過ごせるよう、できる限りのサポートしてあげたいですね。

 

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