Skip to content

テレワーク終了で「分離不安」が増加中?一人でお留守番できない愛犬へのトレーニングと心のケア

1. なぜ今、「分離不安」が増えているのか?

これまでお利口にお留守番できていた犬でも、テレワーク期間を経て分離不安を発症するケースが少なくありません。

ずっと一緒だった「安心」が「依存」へ

テレワーク中は、飼い主様が24時間家にいることが当たり前の日常でした。犬にとって飼い主様は群れのリーダーであり、安心の拠り所です。しかしこの長期間の密接な生活が、結果として「飼い主がいないと不安でたまらない」という強い依存状態を生み出してしまった可能性があります。

急激な日常の変化

犬はルーティンを好む動物です。したがって、ある日突然飼い主様が長時間不在になる生活に戻ることは、私たちが想像する以上に犬にとってはストレスとなり、パニックを引き起こします。これはわがままではなく、「孤独に対するパニック障害」に近い状態であることを理解する必要があります。

 

2. これって分離不安?愛犬からのSOSサイン(セルフチェック)

愛犬の留守中や、出かける準備をしている時の行動をチェックしてみましょう。以下の項目に複数当てはまる場合、分離不安の疑いがあります。

  • 出かける準備(着替え、鍵や鞄を持つ)を始めると、ソワソワしたり吠えたりする
  • 留守中、ずっと吠え続けたり遠吠えをしたりしている
  • 家具やクッションを破壊する、ドアや壁を執拗に引っ掻く
  • トイレを失敗する(粗相をする)
  • 帰宅時、異常な興奮状態で飛びついてくる
  • 自分の手足を執拗に舐めたり噛んだりする(自傷行為)
  • 留守番中に大量のよだれを垂らしている

ポイント: これらの行動は、飼い主様への嫌がらせではありません。不安でどうしようもないという恐怖の表れです。決して叱らないであげてください。

 

3. 今日からできる!お留守番リハビリトレーニング

分離不安を解消するには、「飼い主は必ず帰ってくる」「一人の時間は怖くない」と再学習させる必要があります。焦らず、少しずつ進めましょう。

STEP 1:外出の「予兆」に慣れさせる(脱感作)

犬は「鍵の音」「コートを着る」「バッグを持つ」といった行動と「飼い主がいなくなる」ことを結びつけて不安を感じます。

  • 方法: 鍵を持ってまた置く、コートを着てすぐに脱いでソファに座る、バッグを持って部屋を歩くだけにする。
  • 目的: 「外出の準備=いなくなる」という結びつきを弱め、これらの行動が「何でもないこと」だと学習させます。

外出の予兆をご褒美のサインに書き換えてあげるとより効果的です。

例えば、鍵を持つ時に伏せとおやつを組み合わせてみましょう。「鍵を持ったときに伏せをするとおやつがもらえる」そう書き換えてあげることで、より外出との結びつきを弱めやすくなります。

逆に、パニックになってしまうレベルの行動を繰り返すことは逆効果になります。不安を感じさせない段階から少しずつレベルアップさせていきましょう。

STEP 2:数秒からの「プチ留守番」練習

いきなり長時間留守にするのではなく、本当に短い時間から始めます。

  1. ドアの外へ出て、鍵を閉める。
  2. 数秒~1分で戻ってくる。
  3. 犬が吠えたり騒いだりしていなければ成功。
  4. 徐々に時間を5分、10分、30分と伸ばしていく。

いきなり家を出るのが難しければ、隣の部屋へ出ていくことから始めてみましょう。

吠えたり騒いだりしていないかの確認には、ペットカメラの導入が便利です。ただしカメラ越しに声をかける機能は犬を混乱させ探させてしまう場合があるため、使用には注意が必要です。

STEP 3:出発と帰宅の「儀式」をなくす

これが最も重要で、最も難しい部分です。

  • 出発時: 「行ってくるね」「いい子にしててね」と声をかけたり、撫で回したりしない。空気のように、さりげなく出かける。
  • 帰宅時: 「ただいま!寂しかったね!」と大げさに喜ばせたり、興奮させたりしない。犬が落ち着くまで無視をし、落ち着いてから静かに撫でる。

出発帰宅時と留守中のテンションの落差をなくすことで、不在時が特別不幸な時間ではないと感じさせます。

 

4. 愛犬の心を安定させる環境づくり

トレーニングと並行して、愛犬が物理的・精神的にリラックスできる環境を整えましょう。

1. 安心できる場所の確保

クレートやケージを閉じ込められ牢屋のような場所ではなく、ここに入れば安心できる場所(巣穴)として認識させます。普段からクレート内で休ませる習慣をつけ、中にお気に入りの毛布や飼い主様の匂いがついた服を入れておきましょう。

2. 知育玩具の活用

留守番中に退屈させないことも重要です。 中にフードやおやつを詰められるおもちゃなどの知育玩具を活用し、留守番=美味しいおやつがもらえる楽しい時間というポジティブな印象付けを行います。そのおもちゃは留守番時にしか与えないようにして特別感を出すことや、夢中で遊んでいる間に出かけるのがコツです。

 

5. 専門家への相談が必要なケース

家庭でのトレーニングだけでは改善が見られない場合や、自傷行為など症状が重篤な場合は、獣医師(かかりつけ医や行動治療の専門家)やドッグトレーナーに相談してください。

  • 薬物療法: 不安を和らげるサプリメントや、獣医師処方の抗不安薬を併用することで、トレーニングの効果が出やすくなる場合があります。
  • 専門家の介入: 客観的な視点で、その子に合ったプログラムを組んでもらうことが解決への近道になります。

 

6. 焦らず、愛犬のペースで「自立」をサポートしよう

テレワーク終了によるライフスタイルの変化は、人間だけでなく言葉を話せない愛犬にとっても大きな試練です。

分離不安の改善には、時間と根気が必要です。「なぜできないの!」と焦る気持ちは犬に伝わり、余計に不安を煽ってしまいます。 必ず帰ってくるという信頼を積み重ね、愛犬が一人でもリラックスして過ごせるよう、優しい心でサポートしてあげてください。

Back To Top